企業にとって人手不足は深刻な問題です。帝国データバンクの調査によると、約50%の企業が人手不足に悩んでいることから、企業にとって大きな問題になっていることが分かります。
私たちは、これまで採用に困っている多くの企業様から相談を受けてきました。その中で、人手不足が原因となり、以下のような状況に陥っている企業が多いことがわかっています。
【人手不足による悪影響】
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いづれの状況も経営の悪化に繋がる重大な問題です。最悪の場合、『倒産』という結末に繋がることも珍しくありません。
では、どのように人手不足を解消すれば良いのでしょうか。
その答えは必ずしも「人を増やす」ことではありません。場合によっては、人を増やすことで余計に倒産のリスクを上げてしまうこともあります。
この記事では、あなたの会社がなぜ人手不足になっているのかを把握した上で、根本的な解決をするために知って欲しいことをまとめています。
【本記事で分かること】
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この記事を読んで、あなたの会社が改善するべきポイントを明確にしていきましょう。
2022 年1月に帝国データバンクが実施した「2022年度の賃金動向に関する企業の意識調査」によると、約半数の企業が人手不足に陥っています。
なぜそこまで多くの企業が人手不足に悩んでいるのでしょうか。
当然、企業それぞれが抱える原因もあります。しかし、それだけではなく、現在の日本がそもそも構造的に人材不足に陥りやすくなっているのです。
人手不足に陥りやすくなっている原因は以下の通りです。
【人手不足に陥り安くなっている原因】
労働人口が減少しているため
構造的失業が増加しているため
労働環境が変化しているため
それでは、詳しく見ていきましょう。
国内の労働人口は年々減少が進んでおり、その影響で多くの企業が人手不足に陥っています。総務省の推計データからも、以下のような実態を確認することができるのです。
15~64歳の生産年齢人口が2013年10月時点で7,901万人、32年ぶりに8,000人を下回る
さらに、2013年12月時点では「7,883万人まで減少」している
今後の予想では、2060年に「4,418万人まで大幅に減少」することが予測される
これらのデータを見ても、「確実に労働人口の減少は起きている」といえます。
(出典:総務省『我が国の労働人口における課題』)
労働人口が減少すれば、当然企業が人手不足に陥り安くなります。
このようにそもそもの母数が足りていないことが最も大きな原因の一つと言えるでしょう。
「構造的失業の増加」も人手不足問題には大きな影響を与えているでしょう。
そもそも「構造的失業」とは、企業が求める人材と求職者の持っている特性の違いから起きる失業状態を意味します。
特性については以下の通り、さまざまです。
技能
学歴
年齢
性別
勤務地
例えば、「専門技術を必要とするポジション」や「給料を十分に払うことができないポジション」などは構造的な失業となりやすいでしょう。
実際に、『中小企業白書 2017』に掲載されている「職業別有効求職者数と有効求人数の差を示すデータを確認すると以下のような結果になっています。
(出典:中小企業白書 2017)
「事務的職業」は、労働者が多いため人手不足にはなりづらいことが分かります。一方で、専門的技術が必要とされる職業では構造的に人手不足となっているのです。
あなたの会社で起きている人手不足が構造的なものなのか把握しておきましょう。
以下のような労働環境の変化に対応できていない企業が人手不足に陥るケースが増えています。
【近年の労働環境の変化】
フレックス制度
育休
テレワーク
同一労働同一賃金
ハラスメント防止
メンタルヘルスケア
これらの労働環境の変化に対応できていない企業は、以下のような状態に陥りやすくなっています。
変化に対応している企業に人材が流れてしまう
従業員の生産性が落ちる
1.に関しては、他の企業に人材が流れることによって人手不足に陥ってしまう状況です。
当然、最新の労働環境を整えている企業に入社を希望する人が多いため、人材不足に陥ってしまいます。
一方、2.の「従業員の生産性が落ちる」に関しても見過ごせない問題です。
そもそも人材不足は単に「人材が不足している」ことだけではなく、「従業員の生産性」が落ちていることでも発生します。
本来の生産性が発揮できていれば十分にこなせていた業務が、労働環境が整っていないためにまるで人手不足になっているかのような状況になってしまうのです。
労働環境の変化に追いつけていない企業は上記のような理由で「人手不足」となってしまいがちなのです。
先ほどの章では、外部要因によって人手不足に陥る原因を見てきました。
では、同じ状況にいるにもかかわらず人手不足に陥る企業とそうでない企業は何が違うのでしょうか。
要因は複数ありますが、以下の2つのどちらか、または両方に問題があるケースがほとんどです。
【人手不足に陥る原因】
採用活動に問題がある
労働環境に問題がある
一つ目は「採用活動に問題がある場合」、すなわち採用前の問題。そして、二つ目は「労働環境に問題がある場合」、つまり採用後の問題です。
この章では、これらの2つのカテゴリーについて詳しく解説しています。
人手不足を感じている企業の多くは、採用活動に問題があるケースが非常に多いです。具体的には、採用している人材にミスマッチが起きている場合に人手不足を感じることが多いでしょう。
本来採用するべき人材を見極める、または採用することができれば人手不足が解決することが多くあるのです。この場合、人件費をかけて無駄に人を増やすことはする必要はなくなります。
採用活動に問題があるか確かめるためにも以下について考えてみましょう。
【採用活動に問題がある場合に陥りがちな状況】
競合と比較して十分な応募数があるか
面接官全員が共通した採用基準を持っているか
内定辞退率は低いか
これらの質問に対して自信を持って答えられない場合、採用活動に問題がある可能性があります。
「【求人効果60倍!】採用活動の方法を徹底解説!流れや理想の人材と出会うためのコツも解説」では、人手不足に陥っている企業が適切な人材を見つけるために知っておくべき情報を網羅的に解説しています。
適切な採用活動を通して、人手不足を解消したいあなたは必ず確認しておきましょう。
人手不足に陥るもう一つの大きな要因として、入社後の労働環境に問題があることが考えられます。「求めている人材を適切に採用できているはずだが、なぜか人手不足を常に感じている」という場合には特に労働環境に問題がある可能性が高いでしょう。
労働環境の問題点とは、具体的に以下を指します。
【人手不足に繋がる労働環境の問題】
年間休日が少ない
労働時間が長い
社内のコミュニケーション不足
人手不足は、「そもそも人数が足りない」という場合と「人数は足りているが、生産性が低い」のどちらかが原因です。人数が足りていない場合には、当然新たな人を採用しなければいけません。
しかし、採用数を増やしていくと経費がかさみ、経営状況が悪化してしまうことが考えられます。実際に、忙しさのピークをすぎた後に人件費ばかりがかさんでしまい倒産した企業も存在しています。
そのため、労働環境を向上した上で社員の生産性を極限まで高めていくことで人手不足から開放される場合があるのです。
人手不足は企業に大きな影響を与えます。実際に以下に示す総務省のデータでも分かるように、「大きな影響を及ぼしている」・「ある程度の影響を及ぼしている」と回答した割合の合計は、「72.4%」と非常に高い水準です。
(出典:mhlw.go.jp)
人手不足は、企業の存続と従業員の健康的な生活の維持のためにも、早急に解消しなくてはなりません。
そこで、この章では「人手不足が企業に与える影響」を「4つの項目に分類」して詳しく解説しています。具体的な悪影響については、以下の通りです。
従業員の意識低下
人材育成機会の損失
離職率の増加
お客様対応の質の低下
それでは、それぞれについて確認してみましょう。
人手不足による最も大きな影響は「従業員の意識低下」です。
実際に、厚生労働省の調査結果でも人手不足の悪影響として「従業員の働きがいや意識の低下」を挙げている企業は非常に多くなっています。
(参照:厚生労働省『人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について』)
人手不足による意識の低下は、あらゆる業種において高い水準で起きています。実際に厚生労働省の調査結果では「全職種で50.5%」と、約半数が「働きがいや意欲の低下」を感じているのです。よって人手不足が起きると社員の意識の低下は実際に起きるといえるのでしょう。
(参照:厚生労働省『人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について』)
接客・サービス業(54.3%)
医療・福祉 関係専門職(52.1%)
製造・生産工程職・販売職(51.5%)
特に上記の職種は意識の低下が高い水準にあります。やりがいや意欲が低下すると離職率も高まり、人手不足に陥るのです。そのため、企業は人手不足を早急に解消して、社員にやりがいをもって業務に取り組んでもらえる努力が必要です。
人手不足の影響から、多くの職種で人材教育にかける時間を失っています。以下に示す厚生労働省の調査結果を見ても、幅広い職種において「能力開発の機会が減少している」と回答していることが分かります。販売職においては「52.2%」、その他の業種においても高い数値です。これらの結果から人手不足に陥ると人材教育の機会を失うといえます。
(参照:厚生労働省『人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について』)
人手不足が生じてしまうと時間に余裕がなくなるため、人材教育に取り組む時間がなくなるのです。しかし、人材育成に手を抜いてしまうと企業の存続は危機に陥ります。なぜなら、企業は3年先・5年先・10年先の未来を見据えてコア社員の成長を行えないと、生き残ることが困難だからです。
人材教育に取り組まないことは、社員のスキルや技術の低下につながり、「個人・企業ともに成長できない未来」が待っているといっても過言ではありません。
人手不足は離職率の増加につながります。なぜなら、肉体的にもメンタル的にも負担が掛かってしまい、職場の雰囲気や人間関係の悪化などを招いてしまうからです。その結果、より良い職場環境の企業を求めて離職する社員が増加します。このような事態は、以下に示す厚生労働省の調査結果を見ても明らかです。
(参照:厚生労働省『人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について』)
職場の雰囲気の悪化(45.3%)
メンタルヘルスの悪化休職者の増加(44.5%)
人間関係の悪化(44.4%)
上記のデータからも分かるように、人手不足は離職率に大きく影響を及ぼしています。ゆえに、「あらゆることを悪化させる根源となる人手不足」を解消して、より良い労働環境を作る努力が必要といえるでしょう。
人手不足が起きると人は心に余裕がなくなる傾向にあります。なぜなら、忙しさからイライラや不満、ストレスが溜まるからです。その結果、特に接客やサービス業などでは、笑顔が少なくなり、対応も雑になるなど、「お客様への対応の低下」につながります。具体的な要因は、以下に示す厚生労働省の調査結果にも現れているのです。
(参照:厚生労働省『人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について』)
商品やサービスの説明が雑になる
笑顔や挨拶の意識が低下する
小さな心配りができなくなる
人手不足から上記のような状態を起こしてしまうと、「企業の信頼」もなくしてしまうでしょう。
人手不足になった場合、やみくもに人の追加を行うのは危険です。なぜなら、繁忙期に人を増やして対応できても、しばらくすると落ち着く期間(閑散期)が生じます。その結果、人が余ってしまい、経費が余計に掛かるので、業績の悪化につながるからです。そこで、人手不足を感じたときは、まず以下のことを確認しましょう。
業務内容の見直し
受注量の調整
マルチタスク化への取り組み
採用計画の見直し
人事制度の見直し
上記の項目を見直すことで、人を補充しなくても人手不足を解消へと導くことが可能な場合があります。そこで、この章では、「人手不足を感じたときに、まず見直すべき5つの改善策」について紹介しています。
それでは、それぞれについて詳しく見てみましょう。
人手不足で業務の効率が上がらない場合は、まず「業務内容の見直し」が必要です。
本来は不要な業務やより効率的なフローを導入することによって、新たな人材を採用しなくても人手不足を解消できるためです。
そこで、 普段「あたりまえに行っている業務」を疑って改善できる点がないか、まずは確認してみましょう。具体的には、以下のような点がポイントとして挙げられます。
不必要な作業の排除
作業の時間短縮
部署・組織の変更
業務の可視化
多能工化
外注化
これらの取り組みを行うと「作業の時間短縮」・「作業の効率化」が行えて、最小限の人数でも負担を軽減して業務を行うことが可能になります。よって業務内容の見直しは有効な改善策といえます。
人手不足の状態に陥った場合、ノルマや計画を修正する必要があります。なぜなら、常に忙しい状態では社員へ、精神的・肉体的疲労を与えることになり、その結果、離職率の増加につながるからです。まずは、今の人数に対して「ノルマや工数・受注量が適正であるか」を見直しましょう。見直す際の具体的なポイントは以下の通りです。
繁忙期と閑散期の把握
個々の仕事量のバランス
個人のスキル・能力
業務量を確認して繁忙期と閑散期の受注量のバランスを取ることで、無理のない納期が実現できます。その結果、無謀な残業や休日出勤がなくなり、経営への影響も抑えることが可能になります。
人手不足が生じた際の対策として「マルチタスク化」は有効な手段です。マルチタスクとは、同時に複数のことをこなすことを意味しますが、業務においては、「一人が複数の業務をこなすスキルを身につけられる状態」といえます。例えば、工場勤務のAさんは、今まで「材料の調合作業」しかできなかったが、マルチタスク化を行うことで「検査作業」もできるようになりました。その結果、業務の幅が広がり、お互いの業務をカバーできる環境を構築することができたのです。これが「マルチタスク化の成功」といえます。
しかし、こんな疑問が浮かぶのではないでしょうか。「一人で多くの作業がこなせるようになると、個人はさらに忙しくなるのでは?」
確かにマルチタスクを行う際には、注意が必要です。
マルチタスク化を行う場合の注意点は、多くの作業がこなせる人に多くの負担が掛からないように全体的なバランスを整えることです。マルチタスク化は一人で行うのではなく、全員が行うことで、お互いの業務をカバーし合える狙いがあります。マルチタスク化を行えると、計画的に休日を取得しても、居ない人のカバーが行えます。また、お互いが業務をカバーし合えることで「作業の効率化やコミュニケーションの向上」にもつながるのです。
人材確保ができていない場合は、採用計画を見直す必要があります。採用計画を立てる目的は、「経営を効率良く進めるための人材を確保」が一つにあるのです。しかし、人材が確保できないのであれば、本来の目的を達成できていないので、理由を見つけ出して見直さなければ人手不足は解決できません。人材を確保できない場合は、以下のようなことに着目して採用計画を見直してみましょう。
人材を必要とする理由は明確にできているか
求める人物像は明確にできているか
自社の魅力を求職者に伝えきれているか
新卒・中途のどちらの採用が適正か判断できているか
求人媒体の選択は正しいか
これらのポイントが明確にできていないと、求める人材の確保ができない。または、入社しても直ぐに辞めてしまう可能性があります。例えば、「即戦力を求める場合」には新卒ではなく中途採用を取り入れるべきです。なぜなら、新卒は社会経験が浅く、教育にある程度の時間を要します。そのため、即戦力にはならず、人手不足は解消できないからです。同じように、「必要な人物像が明確でない場合」にも、スキル不足や業務の適正の不一致から戦力にならない可能性が考えられます。このような事態を招かないためにも採用計画の見直しは重要なのです。
離職率が高いことが原因で人手不足が生じている場合には、「人事制度を見直すことで改善できる」ケースがあります。なぜなら、人事制度を見直すことで「働きやすい環境」が構築できると離職率が下げられるからです。人事制度とは、「経営を向上させることを目的として人材の管理を行う取り決め(制度)」です。主には以下のような制度が挙げられます。
等級制度
報酬制度
人事評価制度
人事制度は、正当な評価・モチベーションや給与を上げるうえで必要ですが、問題も生じます。例えば、育休をとりたいけれど、人事評価制度に休暇の取得率が影響する場合、「評価が落ちることを気にして休めない」などの問題が発生します。その結果、休んでも評価に影響しない企業を求めて転職する可能性も考えられるのです。
経営を円滑に行うためには制度を整える必要がありますが、社員にとって魅力的な制度でなければ人は離れてしまうでしょう。そのため、人手不足を解消するためにも人事制度の見直しを適宜行うことは重要です。
人手不足が起きる原因はさまざまあり、全ての業種において起きる可能性があります。しかし、あらゆる業種のなかでも「人手不足が顕著な業種」があるのです。
この章では、以下の厚生労働省のデータを基に判明した人手不足が顕著な業界について詳しく解説していきます。
(参照:厚生労働省「人手不足の現状把握について」)
上記のデータからも分かるように、人手不足が顕著な業種に関しては、以下の通りです。
順位 |
業種 |
人手不足の要因 |
1 |
運送業・郵便業 |
・労働時間が長い ・休みが取りづらい ・労働に対して給与が見合わない |
2 |
サービス業 |
・給与が低い ・労働時間が長い ・休みが取りづらい |
3 |
医療・福祉 |
・責任が重い ・シフトが不規則 ・需要の増加で負担が大きい |
4 |
宿泊業・飲食サービス業 |
・給与が低い ・休日が少ない ・シフトが不規則 |
5 |
建設業 |
・給与が低い ・休日が少ない ・労働時間が長い ・体力面で厳しい ・人間関係が厳しい |
業種ごとの詳細は、以下の通りです。
流通産業は、インターネットの普及・新型コロナウイルスの影響で通信販売の利用率が上がり、さらに忙しくなっています。そのため、労働時間が長くなり労働環境は悪化傾向にあるといえます。
これらの状況を改善するために、「トラック運送業界の働き方改革」が進められており、2024年4月より時間外労働に対して年間960時間の罰則付き上限規制が適用されました。
観光業・飲食業などのサービス業は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けて危機に直面し、営業の自粛を余儀なくされ、廃業や雇用の解雇が増加しました。
しかし、営業自粛が解除された今、一変して人手不足が起きています。理由としては、労働条件が悪いこともありますが、労働環境の影響を受けやすいという経験を学び、避けられてしまうことが挙げられるでしょう。
医療業界は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、需要と供給のバランスが崩れてしまいました。その結果、労働環境の悪化・メンタルを保てない等の理由から離職者が増加してしまい、人手不足を招いたのです。
福祉業界に関しては、高齢化が進み需要が増える一方で、供給が追いつかない傾向があるといえます。
厚生労働省の『産業別の年間休日の調査』によると、「平均休日数:約108日」に対して、「宿泊業は、97日と最も少ない結果」となりました。このような労働環境から人材を募集しても集まらず、人手不足を招いている状態となっています。
飲食サービスに関しては、「年中無休」や「24時間営業」などの理由からシフトが不規則で休日が少ないというネガティブな印象が人手不足を招いています。
建設業はインフラにも影響する産業ということもあり、スケジュールの遅れが許されないプレッシャーや、納期が厳しい場合は休日が取れないという状況が生じてしまいます。さらに、職人気質の雰囲気から「上下関係に厳しい」という印象があり、若者の参入が伸びないことから人出不足の問題を抱えているといえるでしょう。
ここまで、「人手不足が起きている背景や理由」を分析しながら、「人手不足が企業に与える影響や対策」について確認してきました。
新型コロナウイルスの影響をはじめ、少子高齢化や団塊の世代の退職がしわ寄せになり、あらゆる業界で人手不足を引き起こしています。その結果、2021年の企業倒産件数は、6015件と大変厳しい状況です。
しかし、人手不足は決して解消できないわけではありません。
「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」と嘆くのではなく、今こそ企業と社員がひとつになって問題解決に取り組むことで「成長できるチャンス」といえます。