Google広告を広告代理店に依頼する場合、最初に思い浮かぶメリットはリソースの削減、最適化ではないでしょうか。
Google広告の運用では日々、出稿キーワードやターゲティング・プレースメント・入札単価や入札戦略・広告クリエイティブを見直し、運用改善を行う必要があります。中でも検索広告における除外キーワードの追加や除外プレースメントの設定などは、地味で急激に成果が上がるものではありませんが、長期的には大きく費用対効果を改善させることができます。
このような運用業務を兼業で行うことは簡単ではありません。予算や目的にもよりますがインハウスで運用する場合も、アカウントに1人程度専任の運用担当者が必要になります。
そうしたリソースを用意することが難しい場合は、広告代理店に頼った方が良いでしょう。
ただしこれは特に新しく広告施策を始める中小企業では、慎重に判断しないといけません。Web広告に力を入れるため専任者を雇った場合、もし思うような成果が出なかった時の方向転換が難しくなります。かといって専門知識のない人が兼業で運用しても、広告費を無駄にしてしまう可能性が高いでしょう。
そのため広告費がそこまで大きくない(数十~数百万円程度)場合や、新しく始めるため効果や予算が読めない場合に、まず広告代理店で運用することをオススメします。インハウスにしてノウハウを社内に溜めたいのであれば、広告が軌道に乗り専任者を雇っても問題ない状態になってからにした方が良いでしょう。
Google広告の運用は、出稿するだけであれば誰でもできます。自動最適化機能も備わっているため、少し勉強すれば問題なく運用できるでしょう。
しかしGoogle広告の機能は年々複雑化、高度化しており、理解して正しく使うことは非常に難しくなっています。さらに年に何十回とアップデートがあるため、それらを活用することはもちろん、理解することも専門家でないと難しいでしょう。
自社にこういった知識などを持っているGoogle広告の専門家がいない場合は、広告代理店に頼った方が良いでしょう。
広告代理店の運用者は運用を仕事とし、年間何十件もの案件を回しながらGoogleの担当者と電話でやり取りしたり、優先的に媒体資料を受け取ったり、ベータ版の新機能を試したりしています。
ただ出稿するのではな、広告の費用対効果をシビアに追い求めていく場合は、社内に広告運用専門のチームを持つか、広告代理店にその役割を果たしてもらうことになります。
Google広告には頻繁に新しい機能がリリースされます。自社で運用していたら、その機能を試すには自社の広告費を使って実行するしかありません。しかし、新しい機能の中には、まだ広告運用の現場では使いにくいものがあったり、限られた業界業種、目的において有効なものもあります。
もし広告代理店に運用してもらっていたら、「あの新しい機能って実際どうなんですか?」と質問できます。「こういう業種では効果があったけど、貴社と近い業種では効果があまりなかった」というような有益な情報が得られるかもしれません。
広告代理店によっては特定の業種を専門としている場合もありますが、基本的には多種多様な広告主・広告媒体を取り扱っています。なので基本的に広告代理店より豊富な事例やノウハウを持っているインハウスはありません(もちろんインハウスが扱っている自社の業界においてはその限りではありません)。
広告代理店に頼ることで、その代理店から様々な情報を得ることができます。営業担当・運用担当者と会話をすれば、最新のWeb広告トレンドや業界の動きを知ることができるでしょう。広告代理店から納品される広告レポートは、まさにノウハウの宝庫です。
もちろん運用の細かな技術はその代理店の価値そのものなので、教えてはくれないでしょう。しかし「Google広告のクリック単価ってどうやって決まるんですか?」「費用対効果を高めるために日々どんなことをしているのですか?」「レスポンシブディスプレイ広告の動画自動生成機能って、実際どんな動画が作られるのですか?」などと質問してみてください。
単に検索したり本を読んだだけでは得ることができない、プロの知識が得られると思います。
このように考えると広告代理店に依頼することで、むしろ社内にノウハウを早く蓄積することができます。
自社にノウハウを溜めたいのであればゼロから始めるのではなく、広告代理店からノウハウを得てみてはいかがでしょうか。広告運用でやりがちな失敗談など「インハウス運用する前に聞いといてよかった…」と思うようなエピソードが聞けるかもしれません。
広告代理店の多くは社内に広告運用者だけでなく、マーケティングの専門家・デザインやシステム開発の専門家もいます。そのためマーケティング全般の設計から、ランディングページ制作、広告運用まで一貫して任せられます。当然広告代理店の多くは特定の広告手法だけを専門にしているわけではないので、Google広告とSNS広告の掛け合わせといった戦略も立ててくれます。
一般に、マーケティング戦略では関わる業者やチームが少ないほどうまくいきます。例えばマーケティング戦略を立てるチームとGoogle広告の運用、Twitter広告の運用、ランディングページやバナーの制作を行う業者が全部バラバラだと、メッセージに一貫性が無く効果が半減する、コミュニケーションコストが掛かりすぎる、といった課題が生まれます。
そうした事態を避けるにも、基本的には一つの戦略は一つの業者で実行しましょう。
インハウスで行う場合、広告運用はできるけどWeb制作は外注する、Google広告は運用するけれどTikTok広告のように新しいものは代理店に依頼する、といったケースが多いと思います。
しかし、このような方法には上記のような課題が生じる可能性があります。特別な事情(制作会社と付き合いが長く、コミュニケーションロスがない。その業者に依頼した方が一貫性が保てる)を除き、全てを任せられる広告代理店と二人三脚でマーケティング施策を実行した方が良いでしょう。
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